中村明一「虚無僧尺八の世界 東北の尺八 霊慕」発売記念公演(転載)

ロンドン・クイーンエリザベスホールでオーケストラと共演、ラヴェル弦楽四重奏団と自作でフランス各地をツアー、国際交流基金パリ日本文化会館主催ジャズフェスティヴァルに出演、など国際的に活躍し、数々の受賞歴を持つ尺八奏者・中村明一のライフワーク…虚無僧に伝わる尺八音楽の採集・分析、CD録音、そしてコンサート。昨年2度目の文化庁芸術祭レコード部門優秀賞受賞を果たしたCD「虚無僧尺八の世界」シリーズ最新盤、本年10月11日にビクターから発売されるCD(VZCG-610)の発売記念公演は、各方面から熱い期待を集めています。
1枚目と4枚目で文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞したシリーズの第5弾になる今回は東北を特集し、中村明一がみずから訪ね、調査して虚無僧尺八継承者の方々から学んだ曲の数々、東北地方の重厚な音楽とそこにちりばめられた繊細なテクニックを、中村ならではの感性と超絶技巧で昇華させ、研究・研鑽を重ねて練り上げた演奏で、一尺六寸管から三尺一寸管まで、曲ごとに様々な尺八を用いて、じっくりとお聴きいただきます。
中村明一は、自らの尺八吹奏を極めるべく永年捜し求め、ついに探しあてた呼吸法「密息」から日本文化を語る著書「『密息』で身体が変わる」を本年5月に新潮社より上梓いたしました。この本は大きな反響を呼び、約2ヶ月の間に5刷まで増刷されており、いまや呼吸の達人として様々な分野から注目されています。


中村明一プロフィール http://www.kokoo.com

  • 横山勝也師、多数の虚無僧尺八家に尺八を師事。NHK邦楽技能者育成会卒業。米国バークリー音楽大学にて作曲とジャズ理論を学び、最優等賞で卒業。米国ニューイングランド音楽院大学院修士課程作曲科およびサード・ストリーム科で奨学生として学ぶ。
  • 自ら開発した方法による循環呼吸(吹きながら同時に息を吸い、息継ぎなしに吹き続ける技術)を自在に操る尺八奏者。
  • 虚無僧に伝わる尺八古典曲の採集・分析・演奏をライフワークとしつつ、ロック、ジャズ、現代音楽、即興演奏、コラボレイション等に幅広く活躍。尺八と箏によるバンド「Kokoo(コクー)」を率いる。
  • 外務省・国際交流基金の派遣などにより、世界30ヶ国余で公演。世界40局余の放送局に出演。
  • CDアルバム「虚無僧尺八の世界」シリーズ第1弾「薩慈」により平成11年度文化庁芸術祭レコード部門優秀賞、第4弾「北陸の尺八 三谷」により平成17年度文化庁芸術祭レコード部門優秀賞。第8回リサイタル「根笹派錦風流を吹く」により第19回松尾芸能賞
  • 作曲家としても活躍し、NHKドイツ国営放送、フランスのラヴェル弦楽四重奏団フィンランドのジャン・シベリウス弦楽四重奏団、ドイツのムンク・トリオ、米国のミュージック・フロム・ジャパンなど、各方面より委嘱を受け、その作品は、合唱曲、弦楽四重奏曲、ピアノトリオなど、多種多様。第18回文化庁舞台芸術創作奨励賞。
  • 自らの極めた呼吸法から日本文化を論じた著書「『密息』で身体が変わる」を新潮社より上梓。
  • 桐朋学園芸術短期大学講師。日本現代音楽協会会員。