イングランドのライブは結構オススメ

70年代のプログレ最盛期の後にデビューした、イギリスのB級バンド「イングランド」が来日する。リアルタイム世代にとっては、偉大なる先達が活躍していた2-3年後にLPを1枚リリースしたものの、ジェネシス、イエスの亜流以上のものではなく、当時はたいして話題にもならなかったバンドだ。しかし、その後「発掘」されていった幾多の「幻の名盤」クラスの実力は十分備えていたために、中古盤価格が高騰したことは記憶に新しい。そのイングランドが来日する。
2006年3月のメキシコBajaProg2006に出演するinterpose+に同行したときに、イングランドも出演していた。彼らは奇しくもintepose+と同日に、intepose+の後、ポーランドのSBBの前に演奏した。このときの演奏は、「30年ぶりじゃあ、へろへろでしょう」という大方の予想を覆したちゃんとしたものだった。リハーサルはかなり念入りにやったのだろう。また、独特のちょっとクラシカルで優美な雰囲気が、今に至るまで健在だったのはちょっとうれしかった。といってももちろんバリバリの現役バンドほどの演奏力が維持できているわけはないから、プロミュージシャンの視点だったら、粗だらけなのは事実だ。でも、音楽の魅力は巧いだけじゃない。シンフォニックロックが好きな方だったら、現在のイングランドの演奏は必ず感動すると思う。迷っている方がいたらぜひ見に行くことをお薦めする。メキシコのお客も多分ぼくと同意見なのだろう、演奏力ではイングランドの10倍は巧かった現役のinterpose+と、拍手の数はほとんど同じに見えた。
7/8、7/9 川崎Club Cittaにて公演